レジンマンホールは硫化水素に起因する硫酸腐食環境に対して、高い耐食性を有する組立マンホールです
レジンマンホールは、セメントと水を一切使用せず、結合材である熱硬化性樹脂(液状レジン)に乾燥させた骨材及び充填材(フィラー)を加えて練り混ぜたレジンコンクリートを、鉄筋などの補強材と共に一体成型した組立式のマンホールです。 近年、生活様式の変化に伴う生活雑排水の多様化などにより、下水道施設を取り巻く腐食環境は、コンクリートの劣化を促進し、大きな社会問題となってきましたが、今後の課題は施設の建設と維持管理との整合であり、質的充実であると思われます。 特にマンホールポンプ場や圧送の吐き出し口、海水の浸入の可能性がある箇所等の実績が増えています。レジンマンホールの特長
耐薬品性に優れている
各種薬品に対して優れた耐食性を示し、特に硫化水素による硫酸腐食には極めて高い抵抗性があります。「下水道管路施設腐食対策の手引き(案)」に設定されている腐食環境条件Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種すべてに使用可能です。遮塩性に優れている
部材の全断面がレジンコンクリートであるため、構造が緻密で海岸周辺地域などの外面からの塩化物イオンの侵入や温泉地などの特殊な酸性土壌に対しても、高い抵抗性があります。凍結融解抵抗性が高い
吸水率が極めて小さく、結合材及び使用する骨材中の水分量もほとんどないことから、凍結融解に対して高い抵抗性があります。耐摩耗性が良い
樹脂はもちろん骨材や充填材にも、耐摩耗性の高い材料を使用しているため、摩耗作用に対しても高い抵抗性があります。高強度で施工性が良い
圧縮強度、曲げ強度が高いため、薄肉、軽量化を実現し、重機の小型化、掘削土量の減量が可能です。経済性が良い
現場打ちマンホールに比べて工期短縮が図れ、耐久性があるのでライフサイクルコストに優れています。特に現場で防食処理を行う場合と比べると、工期は大幅に短縮できます。維持管理性が良い
内面が平滑で物質透過に対する抵抗性も高いため、付着物が少なく、汚れた場合も清掃しやすいなどのメンテナンスが容易になります。その他特性
・電気絶縁性が良い ・振動減衰性能が大きい ・接着剤で容易に接着が可能レジンコンクリートの高耐食性により、下水道処理場内の過酷環境で10年経過後も全く異常は認められません
写真は、下水処理場内のマンホールのやり替えに設置されて10年経過したレジンマンホールです。通過・合流マンホールはもちろん、スカム排水が高所から頻繁に流入し、硫化水素が滞留する箇所においても全く異常は認められません。
通過マンホール
合流マンホール
スカム排水が高所から流入箇所
構成部材
各現場に応じた加工対応も可能です
・可とう継手取付加工
・FRP中間スラブ取付加工
・管口部厚み増し加工
・馬蹄形加工